夏に思うこと:「犬死」の歴史的な意味あい

水木しげる:僕は戦記物をかくとわけのわからない怒りがこみあげてきて仕方がない...思考停止と無責任が支配する論理によって,自決と玉砕を命じられた仲間たち...<朝日新聞 折々のことば 20190816>」

今夏の NHK スペシャルなどの戦争関連番組でも「犬死」は明瞭に表現されていましたね.でも僕は,もしあの戦争がなかったら,あるいはもし日本が負けていなかったら,いまでもこの国は大日本帝国憲法下の大日本帝国であったろうと考えると複雑な気持ちになります.そういう意味で後付け的ではありますが,「犬死」には歴史的な意味あいが付け加わったと思います.

今,しきりにこの国が「国益」を叫ぶのは,日中戦争突入の際の「満蒙は我が国の生命線」というのと大した違いはありません.この国が90年前にもどってしまい,「犬死」が本当の「犬死」になってしまわないことを...